1983年初版。カバー背上に僅かにイタミ、小ヨレ、小口三方に小ヤケあり。背ヤケも割れもなく、カバー本体ともにしっかりした、まずまずの並本です。ダムに沈む故郷を「かたち」として残すために撮り貯められ、編まれた写真集。
「あの時」の私も、故郷を失う覚悟をした人間の一人です。あの場所から距離100キロの私の故郷が結果的に救われたからといって、あの時の感情はいまだ生傷のように記憶に刻み込まれていて、忘れることはできません。
「国策」ってのは、どこかの、少なくはない誰かが何らかの犠牲を強いられるのが常で、しかも一度動き出してしまうと、仮に誤ったリスキーな方向であっても容易に方角を変えることができないものだということは分かってます。それでも。変えなきゃいけないものは、変えなきゃ。
「あの、決して学ばない連中をそのまま放置してしまったのは我々だから、結局我々の責任だ」と悔いる事態になるのは、ほぼ目に見えてます。かなり高い確率で、想像したくもない数の「故郷」が、いずれ失われることになるのではと私は思ってます。
故郷を失うということが、どれほどまでに悲痛なことなのか、想像できない、理解できない、考えようともしない者共に、舵取りを任せたくはないな。この美しい国を、守りたいな私は。
価格/ Price/ Prix |
3,000円 |
在庫数 / Count / Nombre |
SOLD OUT |