ともに1987年3月10日発行。ともにコーティング無しの紙カバーの本です。各巻カバー周りに若干の印刷スレ、第2巻カバー裏表紙に少しキツめのスレ、うっすら値札跡、各巻小口三方に僅かにヤケあり。研磨無し。造本と経年を考慮したら、カバーも並レベル、本体はキレイめだと思います。第1巻巻末に作者あとがき、第2巻巻末には土屋進氏による解説が収録されてます。雑誌「サムソン」連載作品。第2巻は、ハードな展開を臭わせるシーンで終わってしまってます。第3巻以降が刊行されたのかどうかは少し調べましたが分かりませんでした。おそらくは、この2冊きりじゃないでしょうか。果たして完結したのかどうかも不明です。
追記です。どうやら刊行されたのは「全5巻」、なおかつ未完である模様です。現物を目の当たりにしましたが、買い付けできる価格ではなかったため残念ながらスルーしました。
ボネ氏といえば、何を描きたいのかさっぱり分からない、とっ散らかった迷作『フラウア・フラウア』しか読んだことがありません(そういや土屋氏はそちらでも解説をされてました)でしたが、この『風のアルバム』は、主人公に据えたのが未成熟・無知蒙昧にして、素直で正直かつ誠実な、要は場当たり的無軌道なオトコのコだったことが幸いして、彼の突発的な行動、不可解な態度もなんとなく納得できたりします。ポヤーンとしてるようで周りを振り回す、こういう訳の分からない迷惑なヤツは、女には時々いますね。ホモセクシュアルがつけ込む余地のあるノンケの男の子は、たぶんこういうタイプなんでしょう。
ゲイコミックというと、山川純一氏とか田亀源五郎氏のような「男×男」の恋愛・肉体関係が大前提の直截的な作品が脚光を浴びる傾向がある気がします。所謂ビーエルの方はほとんど知りませんが、こういう当たり前の世界観でニュートラルな主人公を描いた作品は、けっこう珍しいんじゃないかと思われます。内容もさることながら、そうそう出ない本ですよ。
価格/ Price/ Prix |
4,500円 |
在庫数 / Count / Nombre |
SOLD OUT |