2006年初版、ペーパーバックのコンビニコミックスです。表紙周りに若干のヤケ、小印刷スレ、裏表紙にヨゴレ、同下角に僅かにイタミ、小口三方および前後見返しにヤケ、ホコリジミあり。背ヤケや割れは無く、本文もキレイです。あくまで読み用に。
サラリーマンを辞めて酒場のジャズピアニストになる男の話。全くもって「音楽」が感じられませんが、そんなことはどうでもよいのです。たとえば柳沢氏の漫画では、どうやら「エロくてイイ女」が描かれているようであっても、それらは出来損ないのダッチワイフにしか見えませんし、どんだけ「うまし!」と連呼されてても、そこに上手そうな料理や飲み物が描かれていたことなんて一切ありません。われわれに必要なのは、自らの想像力を駆使すること。頭の中で自分の経験から「官能」を補完して、主人公の生き様に色合いを添えるのです。つまりは読者参加型の大人の読物。ガキは読まなくていいんです。
見えるもの見えないものを問わず、漫画表現が急激に進化した結果、漫画の中に「本当にうまそうな食いもの」「さわりたくなるようなエロい女」「間違いなく、音楽が鳴り響いている空間」が溢れている現在において、こう言っちゃあなんですが「記号レベル」の官能表現しか提示されないのであればそれは「漫画である意味…無いじゃん」と言えなくも…いやでもいいんです。氏の作品を味わうというのはそういうことのような気がします。
価格/ Price/ Prix |
1,500円 |
購入数 / Count / Nombre |
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